フロントプーリーのL側を基準位置に合わせ
クラセンの蓋を開けると
G側の回転子とピックアップコイルは、
写真の様な位置関係です。

クラセンを抜き差しする場合は、
この位置を基準にしておきます。

上の位置でクラセンを抜くと、
クラセンのギアの合いマークと
ボディ側の突起が一致しているはずです。

差し込むときも、このマークが合った位置で
エンジンに差し込みます。

仮に、もし間違って…
一コマ間違ってクラセンを差し込むと
こんな感じになります。

長穴で調整しようとクラセンを
思いっきり回してみますが、
G信号の回転子が、
最初の規定位置まで来ません。

こんな感じでもエンジンは掛かりますが
当然、絶不調です。

そんなことしたのは僕です。

次に、フロントプーリーの回転と
クラセンの回転の相関関係を見てみます。

先ずは、
フロントプーリーのL側合いマーク位置を
原点とします。
G信号の回転子は2か所
ピックアップポイントがありますので、
白ペンで片方にマークしてきます。

フロントプーリーを1回転回しますと…

クラセンのG信号の回転子は半回転しました。

ということは、フロントプーリー2回転で
クラセンが1回転するということです。

整備書に記載の通りです。

フロントプーリー2回転(720°)で
G信号は2回でます。
Ne信号はギザが24個ありますので
720°÷24=30°
クランクアングル30°毎に1発でます。

次に、フロントプーリーとボスについて

写真がボスです。
4個のネジ穴がありフロントプーリーを
固定しています。

よく見るとこの穴位置は、
90度毎には開いていません。

正常な取付位置
ボルトは4本とも入ります。

説明の都合上プーリーは
1枚だけつけてます。

90°くらい回してみますと、
ボルトが1本しか入りません。
他の穴はズレています。

さらに回していっても、
やっぱり穴位置が合いません。

結局、最初の位置しか4つの
穴が合う位置はありません。

エキセントリックシャフトと
ボスの間にはキー溝があって
さらにボスとプーリの間は、
上の写真の様に、
取付穴が1か所でしか合わないので、

フロントプーリーの点火時期マークと
エキセンの角度は不変のものとなります。

厄介なことに、
年式によってかどうかわかりませんが、
フロントプーリーに何種類か種類があり、ボスのキー溝とプーリーの穴位置が異なるようです。

通常フロントプーリーとプーリーボスはセットで販売されていて、新品では単品で手に入りません。
セットで使う分、例えばボスAとプーリーA、ボスBとプーリーBであれば問題ありません。

これが、ボスAとプーリーBとなった場合に、ボスに対してプーリーの取り付け角度が変わってしまい
点火タイミングのマークがおかしなところにいってしまいます。

年数と共に、プーリが錆てきて新しいのに交換したりした時が悲劇の始まりで、
ボスまで交換せずにプーリーとベルトだけ交換すると
あたりを引けばいいのですが、確率的には外れるほうが多いようです。

交換してもその場では問題ありません。
年月が経過してオーナーが変わり、エンジンOHすることになって、
エンジンが組みあがり、点火タイミングを合わせるときになって発覚します。

なんでボスを交換しないのかというと、こいつを固定しているエキセンの真ん中のボルトを緩めると、
中の薄いニードルベアリングがズレちゃって二度と組めなくなる可能性があるのです。

今んとこ会社にこのセットしかFC用のプーリーがありませんので、外れのセットとなった場合に
どの位、点火タイミングが狂うのかは分かりません。
ここ2~3日中であればこのエンジンがありますので、予備のプーリーをお持ちの方ありましたら
ご持参いただければ検証してみます。