767Bとは?
世界三大レースと呼ばれる、モナコグランプリ、インディ500、ル・マン24時間レース。
この767Bというマシンは、ル・マンで戦うために開発されたレース車両だ。
ル・マンで活躍した後プライベートチームの静マツレーシングで使用された。
その後、当時メカニックを担当していた星野氏が引き取り、現在に至るまで数々のイベントでその快音を轟かせてきた。
空気抵抗を減らし最高速度を稼ぐ美しいボディが纏う、どのマシンよりも目立つ派手なカラーリングは、
アパレルブランド”RENOWN CHARGE“が手掛けた。
同じカラーリングで、マツダミュージアムに展示されている787Bは弟にあたる。
TEAM 767B HOSHINOとは
2015年に起きた767Bの破損事故後、プライベーターが集い修復プロジェクトが発足した。
30年前の機構ということもあり、大変困難を極めたが、修復に伴いアップグレードされた767Bは天使の咆哮を取り戻した。事故から実に2年が経過していた。
埃をかぶっていたボディは再度塗装を施され、美しく蘇った。
そして、復活を聞きつけたオーストラリアから世界的タイムアタックイベント”WTAC”へ招待されたのである。
しかしこの時、プライベーターである私たちは1本10万以上するタイヤ代を捻出する余裕さえ残っていなかった。
そこでクラウドファンディングを活用し、サポーターを募った。集まらなかった時はさいあく身の回りのものを手放し捻出しようと考えるほど切迫していたが、予想を大きく上回る反響に、あっという間に目標金額を突破。
WTAC本番では国営放送により世界中へその4ローターサウンドが轟いたのであった。
このクラウドファンディングでは、最高額の寄付者には専用のピットスーツを用意し、国内イベントでマシンのサポートをする権利が渡された。これが、TEAM 767B HOSHINO発足のはじまりである。
レジェンドカーと
共に歩む。
レーシングカーたちはテレビの向こうでライバルと接戦を繰り返し、輝かしい成績を残すモノも居れば影に埋もれるモノも居る。
しかし、ほとんどのマシンたちはレースという用事が済めば捨てられてきた。
それには様々な理由がある。維持費や保管場所の問題もある。
だが、果たしてそれでいいのだろうか。
マシンは喋らないが、そのマシンを作ってきた人たちがいることを忘れてはいけない。かつてそのマシンで戦った人、ピットクルーとして支えた人、多くの人が関わっていることを忘れてはいけない。
そのマシンには戦績だけでは無く、実に多くの歴史や思い出が詰まっているはずだ。
私たちには、ほんの少しの勇気でそれを救うことができる力がある。
画面の向こうで応援するだけの時代は過去のものだ。
声をあげれば、確固たる信念さえあれば
ファンにだってマシンを守ることができる。
私たちTEAM 767B HOSHINOが、証明したのだから。