今日からのお仕事はFC3Sが相手です。
車体番号はFC3S-24xxxxで、1991年の中頃製造されたようです。
MAZDAが栄光のル・マン優勝のちょっと前くらいです。

オーナさんからの自己申告で、メタポンのエラーコードが出てブーストが掛かると
燃料カットが入るフェールセーフに入っています。
自身でメタポンも交換されましたが、エラーが解除できないとのこと。
そこでコンピューターに問題があるのであろうとのことで、
基板を確認したところすでに基板が焼けているとのことです。

そこで、違うコンピューターを入手して交換しましたが、
それでもエラーが消えないため、メインハーネスの交換が必要と思われ入庫の依頼がありました。

基板の確認中

ROMのバージョンは『1067』で、
まぎれもなく最終バージョンです。

しかし、写真左下のICには
「もあっと~煙った感じが・・・」

煙ったICの向かい側に位置するのが、
メタポンのモータードライバICです。
(多分)
こいつは、完全に焼損状態です。
これが燃えたときの煙が向かい側のICを
煙らせたようです。

モータドライバICのハンダ面は、
基板が焼けています。
パターンも燃えてます・・・

残念ながら、このコンピューターは再起不能です。
オーナー様も、すでに予測して予備のコンピューターを持参されています。

でも、ここまで燃えていると簡単に交換して、試してみるということに
慎重にならないといけません。
前例もあるのですが、原因がはっきりしないまま一か八かで交換して、上手くいけば良いのですが、
上手く行かなければ、正常なコンピューターがまた壊れてしまうということになりかねません。
ひょっとすると、交換したばかりのメタポンも、すでに壊れているかもしれませんので、
まずは、ゴリさんがメタポンの単体チェックを整備書に基づいて順番に行っていきます。

メタポンは、パルス信号により駆動されるステッピングモーターで、
コイルが2系統あり、コンピューターからの信号で入力パルス分だけ正回転と逆回転します。
この回転したことを別系統のセンサー(ポテンショメーター?)でコンピューターにフィードバックして
確実に動作したことがコンピューターに伝わる仕組みです。

今回は入庫時にNo.27のエラーコードが出ていました。
メタポンのエラーコードが出ている場合は、フェールセーフとして
「燃料噴射量、点火時期固定制御」となりまして、ブーストが掛かりだすと失速します。

「コンピューターから正回転せよ」との命令が出たにもかかわらず、
ポンプから「回転しましたよ」という、返事が来ない場合
コンピューターは「メタポンが壊れた」と判断してエラーコードを出して
フェールセーフに状態になります。

そのくらい綿密にメタポンの制御に気を配っているということは、
やはり、ハウジングに対してのオイルの管理が重要ということでしょうね。
しかし、FC3Sの時代はハウジングとマニホールドにオイルジェットがありましたが、
FD3Sになって、ハウジングのみになりました・・・この辺が多少??ですが・・・

今回はオーナー様からの依頼もあり、メインハーネスも交換します。

果たして結果は・・??

サンルーフに、オートエアコン、ABS、クルーズコントロール付きのGT-Limitedです。