市販車にというか、FCやFDに取り付けられている純正のO2センサーは、
空燃比を測定していますが、理論空燃比をスポット的に測定するために
特化した特性を持っています。
こんな感じで、理論空燃比(14.7:1)を境に
急激に値が反転します。
O2センサー起電力Eのラインに注目してください。
PCMからO2センサー電圧を見ていると…
フィードバックゾーンの場合。
空燃比が濃い場合は1V近くの入力がありますので、
PCMは
『空燃比が濃いから燃料絞ります~』
ちょっと絞って、あまり変化が無ければ、
『まだ、濃いからもう少し絞りますぅ~』
ここで、O2センサー電圧が0V近辺に下がります。
すると…
『お~ぃ、絞りすぎだよ~』となって、
『ちょっと、増やして~」っとなって
増量した結果、O2センサー電圧がまた1V側に
反転すると、
『濃くなったから絞って~』ということを繰り返して、
最終的に、理論空燃比に収束していきます。
ところが、このO2センサー電圧で数値的、視覚的に空燃比を表示しようとすると、14.7近辺で急激に値が変化するので、
セッティングに使うのには少々難しいです。
運転席で、アクセル踏んでいくと『濃い濃い濃い』から突然『うす~い』に変化するので、危なくて踏めません。
ですので、SARDなどのセッティング用の
機材の場合は、
空燃比が10で0V、
空燃比が20で5Vというように
リニアに変化するセンサーを使います。
商品的には、ワイドバンドセンサーと
呼ばれています。
このような、感じで値が推移すれば、
セッティングも安心してできます。
空燃比計のセンサーは、先端部にヒーターを内蔵していて、
計測部のジルコニア素子が、そこそこの温度に達していないと
正確な値が測定できず、はたまた、センサーをつけっぱなしにして一般走行をしていると
すぐにセンサーがダメになって、高価なセンサーを買い直す羽目になるという取り扱いの
気難しいセンサーであるというのが僕の認識です。
ですので測定時以外はセンサーは取り外しておくというのがの昭和の時代の空燃比計の認識でした。
SARDの空燃比計も電源を入れると60秒のカウントダウンが始まり、ヒーターの余熱が始まります。
カウントダウンが終わって初めて計測が可能な状態になります。
今回も十数年ぶりに電源を投入された、SARDの空燃比センサーは、
溜まりにたまった、ホコリを焼き尽くしつつ起動して、見事に「14.8」という数値を表示しました。
(14.7でないですが、細かいことは良しとしましょう)
SARDの空燃比計は付属ディスプレイの他に外部モニター用の0-5Vのリニア電圧出力があるらしく、
社長の記憶によりこの信号線をシャーシダイナモの入力に入れて、ロガー上にも空燃比を表示させることになりました。
これがロガーに出力した結果です。
茶色い線がA/Fを示しています。
令和のデジタルロガーで計測すると、
昭和の空燃比計から送られてくるデータが遅すぎて、ガタガタですが一応空燃比がロガー上に乗りました。
これで、計測がさらに「うヒヒ」状態になるはず…でしたが…
またも続きます・・・
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