さて、首尾よく無事に帰還した我々ですが、
OBD2アダプタのテストも兼ねて、銀FD(社長号)でお使いに行こうとしたところ…
運転席側のフロントバンパーの下に

水溜りが~~~しかも明らかに緑色…キャー水吹いてるよこいつ~

これはまさにエンジンのスクエアリングを通り越してきた、
燃焼ガスが冷却水路に混入して、ブクブクしながら冷却水を押し出してしまう典型事例。

押し出された冷却水は、リザーバータンクに戻ってくるんですけど、
タンクが満タンになるとオーバーフロー防止のちっさい穴から社外に放出されます。
放出口がフロントバンパーの運転席側にあるので、ここに水が垂れてると
非常にまずい状態です。

まさに、ここのyoutubeで説明している状態。

そういや、杉田メカが横浜の会場に到着後
なにやらクーラント臭がするとかなんとかでエンジンルームを
ゴソゴソしていたんだけど、水漏れとるやんけ!!

『しゃちょ~、エンジン交換のお仕事が入りましたよ~』って

ちょうど若い人チームが昼からストックエンジン造ってたので、
ナイスタイミングそれ載せちゃいましょう~~

なんて、そんなまるまる赤字の仕事はこの時期許可できません。
なんといっても決算月なのです…

横浜に行く前に、エアクリーナーやらインタークーラーを
純正レイアウトの戻していたのですが、
その際に劣化していたエアセパレータ―タンクも交換していました。

てっきり新品にしたと思っていたのですが、有馬メカに尋ねると
中古のストックから交換したとのことです、
新品の場合はラジエーターキャップも新品が付属しているのですが、
もしかして、キャップも中古かな??

ここで、一筋の光が見えたような気が…

ご存じのとおり、ラジエータキャップは水路内に一定の圧力をかけて、
冷却水の沸点を上げ、100℃を超えても沸騰しないような仕組みとなっています。

圧力が上がりすぎないようにばね式の弁がついていて、
水路内の圧力を適当にコントロールしています。
このばねや、ゴムパッキンがへたってしまうと、
本来ならキープしている圧力のかかった冷却水が
そのままリザーバータンクに流れてしまい、
リザーバータンクの水を追いだしてしまいます。

早速、キャップが正常かテストしてみましょう。
テストにはラジエータのキャップテスターという道具を使います。

  • 正常な場合
    規定値0.9をキープしています。
  • 今回取り外したもの…
    キャップの圧力が保持できません…
    この状態ではエンジン側の水路の圧力が上がると冷却水がリザーバーに出て行ってしまいます。

ラジエータキャップの劣化パターンとして、
今回のように圧力が保持できない場合と、
逆に頑張りすぎて既定の圧力でリリーフしない場合があります。

後者の場合はエンジン水路内が異常な高圧になり、
弱いところがパンクしてしまいます。

一般的には樹脂製のエアセパレータータンク辺りが壊れて
目視ですぐに分かるのですが、
ここをアルミの強化タイプにしていると違うところに圧力がかかり、
ヒーターコアの樹脂パイプやタービン系の冷却ホース辺りから
漏れ出して2次災害が発生しますので注意が必要です。

また、FD3Sの場合には似たようなキャップが2個ありますが、
エアセパレータータンクのキャップ(インタークーラー横)が、
圧力調整弁のついたキャップで、
エンジン側のキャップはただの蓋です。(注水口)
中古車の場合両方とも圧力弁のついたキャップが付いている場合もありますので、
念のためご確認ください。