回っていませんでしたので修理しました。

昨年、弊社にてエンジンとかいろいろ交換した車で
専らサーキットと長距離ツーリングを主な使用用途とする4型。
その後、全塗装して溺愛されていますが、
先日の走行会でセカンダリーが、どこかに行ってしまいました。

前回ご来店時に概ねの原因は探っていますが、
その場では部品が無かったので、部品を調達して改めてご来店いただきました。

セカンダリーに切り替わらない場合のチェックポイントとして、

1,システム内の正圧が保たれている。
これは停車後プレッシャータンクのホースを抜くと”プシュー”と元気よくエアーが噴出するかをチェック。

2,システム内の負圧が保たれている。
これは、停車後チャージコントロールバルブのロッドを見ながらキーをONした場合
ロッドがきちんと引き込まれるか…ということでチェックできますが、
今回はこの状態で1回目のキーONでは何とかロッドが引き込まれますが、
一旦OFFにして再度ONにするとロッドがふにゃふにゃ…と戻ってしまいます。

3,上の2項が正常であれば、ターボコントロールバルブが正常に動作するか等、
次の段階に進みます。

まあ、今回はバキュームに確定なので、今度はどこで漏れているかです。
1,バキュームタンクのエア漏れ
2,バキューム圧を保持するチェックバルブの動作不良。
3,ホースの破れ等
4,アクチュエーターの動作不良

等が原因として浮かびますが、
1~3はエクステンションマニホールド外してバキュームユニットとかのチェックが必要で、
なんせ、めんどうですから、前回来店時に社長が目星をつけていた、
チャージコントロールバルブのアクチュエーターをチェックしてみます。

上の図面の赤丸の部品です。
どうやってチェックするかというと、Φ4のホース引き抜いて咥えて”スー・ハ―”するとわかります。

時節柄、直に加えるのは抵抗がありますので、代わりに注射器差し込んで”スー・ハ―”してみますと…
案の定どこまでも”スー・ハ―”できます。

持ち込まれた正常と思われる中古では、圧が掛かると”カチッ”とアクチュエーターが
動作してそれ以上は注射器のピストンが奥に入りません。

不良品は明らかに、エア漏れしてロッドがピクピク痙攣して断末魔です。

こいつはエンジン交換してもタービン交換しても、普通は交換しませんので
製造されてから20年以上下からタービンに炙られながら仕事をしてきて
ついにそのお役目を終えたようです。

こいつを交換する場合は、合流インテークの後ろ側半分をAssyで交換するのが手っ取り早いです。
すでに新品は注文してもお断りのようで、オーナーは某オクから調達されています。

そいつも壊れていると元も子もないので、予め注射器で”スー・ハ―”して動作チェックします。

この合流インテークの後ろ半分を取り外すには、上に被さっているセカンダリーのインテークパイプを外すのが良さそうなのですが、
純正の状態ではあちこちのボルトや、クラッチやブレーキのマスターシリンダに引っかかって抜けません。
僕も初めて自力でタービンを交換した時は上から下から苦労して、タービンを緩めてその辺の物と一緒に全部ごっそり持ち上げました。

でも、弊社でエンジン交換やらタービン交換された場合は、このインテークパイプが単品で外せるように組んであります。
こうすることで、インテークパイプだけ外せば合流インテークにアクセスすることが出来ます。

そうすると、こんな感じでエアポンプなんかはそのままで、必要最小限の脱着で作業できます。

普通は、合流インテークも前後一緒に外さないと外れないんですが、組み込み時に細工してありまして、
後ろ側だけとか、必要であれば前側だけでも外せます。

接続部のOリングは交換しておきました。
このOリングが切れるとここからオイルミスト吹いて、
オイルがフロントパイプに垂れていき白煙が上がりビビります。

そんな感じで昼頃には復旧して作業完了です。

閉じてるとき

開いてるとき

取り外した合流インテークの
後ろ半分。

チャージリリーフバルブに行く
黒いエルボのホースも、
激しく硬化していましたので
交換しました。

知ったかぶりして書いてますが、作業は杉田メカがほとんどやりました。

スムーズに修理完了です。