タイトルにツラれて見に来たあなた・・・
大したことはしていません、残念ながら・・・
先日こんな依頼がありました。
『ドアミラーがブルブル震えるから直してほしい・・・』と
FDの純正ミラーを分解したことはこれまで無かったのですが、
「ど~~しても、なんとかしてほしい」と懇願されたのとYoutubeで分解動画が出ていたとかなんとかで、
あわよくば人のミラーで練習して、僕のミラーを直すときの為に経験値を上げておこうと
重い腰を上げてみました。
いきなり、鏡が外れています。
先人のYoutube動画を見てイメージトレーニングした結果、無事に外せました・・・。
しかし、『これでどっか緩んでいるネジを増し締めしたらOkじゃん』と
ほくそ笑んだのですが・・・どこも緩んでいません・・・?
では、実走行してホントにビビるのか確認してみましょう・・・
というか、先に実走行するべきでした…
助手席に乗って、オーナーに運転してもらうと・・・確かにブルブルします。
というか、このクルマ普通じゃありません・・・
ミラーだけでなく、全体にブルブルしていますよこれ・・・
良く聞いてみると、うちでは全くお勧めしない硬いエンジンマウントが入っています。
なんだよ、『それ先に言ってよ~~~』って・・・バラシちゃったのでもう遅い。
オーナー曰く、『そんなもん、確認しないあんたが悪い・・・』と、
ダメもとで頑張ってみましょう。
要するに、ちょうど巡航速度で多用する1500rpmくらいで、
ミラーが共振してどうにも我慢できないとのことですので、
このミラーの固有振動数を変えて見せましょう・・・
自動車においては回転や振動するものの共振はいたるところで影響を及ぼします。
もとが回転体のロータリーエンジンでは、
ローター単体の動バランス、エキセントリックシャフトの動バランス、
フライホイールやカウンターウエイトを含めた動バランス。
レシプロではピストンやコンロッドの重量合わせや
クランクシャフトの動バランス
最近では工作精度が上がってあまり言われなくなりましたが、
プロペラシャフトの動バランス・・・
L型やKPの4Kなんかはバラスときにマーク入れといて、同じとこで組むとか・・・
10円玉貼り付けてバランスとるとか・・・
サスペンションも共振と防振の組み合わせだな。
わかりやすいのがホイールバランス、バランスがとれていないと
ある速度だけブルブル振動がステアリングに伝わってきます。
で、今回はこの固有振動数をずらすために、
分解したミラーの内部にバランスウエイトを組み込みました。
ここは社長のアイディアで、
”ミラーがブルブルした時に、ミラー内部に程よい揺れ具合のウエィトを仕込んで
そいつが一緒にブルブルすることで、全体的にミラーのブルブルを打ち消すと!!”
すばらしい!早速スポンジを太いボルトに巻いてミラーに仕込みました。
ここまで読んで、『小難しいこと書いといてそんなもんか』と鼻で笑ったあなた・・・
『効果てきめんです』半信半疑で走ってみたらブルブルが許容範囲に収まりました。
嘘だろこれ・・・いやマジです。
このアイデアはすでに某広島のメーカーも採用して、
Skyactive-Dのディーゼルのカラカラ音の低減にも役立ってます。
喜んでないでサッサと特許をとっとくべきだったと悔やまれます。
まあ、こういう修理は失敗しても受け止めてもらえるオーナーさんにだけ
やらせていただきます。たいてい、こういう時は”失敗しないので”・・・
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