私の世代で”インベーダー”というと、かつて怪しげな喫茶店に設置されていて、
小学生だった私では立ち入り禁止のミステリーでした。
その後、スーパーの最上階のアトラクションコーナーにお目見えした、
タイトーのゲーム機は何とも言えない不思議な音楽と共に小学生を虜にするが、
毎月のお小遣いではそんなに遊ばしてもらえるものでもなかった・・・

インベーダー(INVADER)を訳すると「侵入者、侵略者」だそうです。

ここ最近このインベーダーという言葉を聞く機会があって思い出しました。
僕が聞いたのは、

CANインベーダーでした。

こいつは、車両のネットワークに侵入して・・・

あたかも、正規のキーがあるのと同様にドアロックを解除して、
エンジンをスタートし持ち主のいない間に走り去ってしまいます。

現代のクルマは、メインのPCMを中心に色々な仕事ごとに、分業化されたコンピューターモジュールが搭載されていて、
それぞれがCANという通信網を利用してやりとりしながらクルマを走らせています。

この車両に張り巡らされたCANのケーブルに、CANインベーダーを接続して、
偽の信号を流して、あたかもそこにスマートキーがあるようにしているのか、
犯人が持参したスマートキーを認証してしまうようにしているのか…分かりませんけど
ドアロックが解除されてエンジンが掛かってしまうようです。

先日この方法でクルマを盗んでいた人たちが摘発され
所持品からモバイルバッテリー風に改造されたCANのハッキングツールが発見された模様です。

日経新聞の記事より

我々も、PCMのデータの書き換えやら、クルーズコントロールの設定やらで
毎日CANとパソコンのにらめっこをしていますが、ここまで解析して
モバイルバッテリーの見た目にCANインベーダー仕込める技術を持った
窃盗団がいるというのがある意味驚きです。

実行犯がわずか数分でセキュリティを解除してエンジン掛けていくというのが、
恐ろしい限りです。

まあ、FDやFCには関係のない話ですが、僕がこんな高級車のオーナーなら
やはり、乗らないときは『バッテリー』を外しておきますね・・・古典的ですが・・・