ボディの剛性を上げる手法としてポピュラーなのは、ストラットタワーバーですかね。

FC3Sの場合、フロントはストラットなのでストラットタワーバーで間違いないでしょう。
FD3Sにおいては、ダブルウィッシュボーンなのでストラットタワーバー??ですが、
細かいことは気にせず・・・タワーバーと呼びましょうw

そんで、ジムカーナとかサーキットととかっていうことになると、
ロールケージと呼ばれるパイプでフロアやボディの要所を
剛結して歪まない様にしてしまいます。

ハッチバック車はボディ後半の開口面積が大きいので剛性を上げるのには
有効らしいです。

斜めにダイヤゴナルバーを入れるとさらに剛性が上がりますが、
突っ張っているので、外すと取り付けが大変です。

写真は前席の後ろ側からハッチの部分をカバーしていますが、
当然、前席まで延長されたものもあり、
さらに男らしくケージがダッシュを貫通してフロアに固定されるタイプや、
もうすこし実用的にダッシュを逃げるタイプもあります。

ちらっと紹介したのがボディの剛性を上げる手法の一部ですが・・・
昭和の終わりから平成にかけて『発泡ウレタン』という建築用の断熱材みたいなものを、
フレームやサイドシルの空洞部に充填して、内部でパンパンに膨らませて強度を上げる
という手法が編み出されました。

安価で効果が分かることで、結構流行しました。
しかし、デメリットあり最近ではあまり聞かなくなりました。

でも、今回入庫のクルマにはこのウレタン補強が施工してありました。

リフトで上げて下から見ると、ロールケージの取り付けてあった当て板が残っていたり、
もともとジムカーナで使われていたものを純正に戻してあることがわかります。

エンジンは新品に交換しますので、エンジンの良否は問題ではありません。
エンジンの交換に際してメンバーを固定しているボルトを緩めると
内部から錆びた水が出てきました。杉田メカも初めてのことにびっくりです。

この水がどこから来たかというと・・・
どうもエアコンのドレンのようです。

正常なFDの場合、エアコンで結露して回収された水は
助手席の足元のホースを通って、フレームの間を伝って社外に放出されます。

エアコンを掛けて停車していると、助手席側の路面に雫が落ちています。

しかし、今回のクルマはこの空間に発泡ウレタンが施工されていて、
ドレン水の行き場が無く逆流してエンジン側に流れて行ったものと思われます。

いずれ大惨事になることは間違いないので、
今のうちになんとかしてみます。

最初はドライバーとかでほじくってみましたが、
ちょっとやそっとでは埒が明かないので、長~い特殊ドリルの刃を用意して、
グリグリつついてみます。
ガリガリやっているとウレタンの破片が出てきましたが、なかなか貫通しません。

貫通といってもドレン水の通り道が出来て、周りのフレームは傷つけない様に
注意してガリガリやっていきます。

フレームのリブになっている部分がドレン水の通り道なので、ここだけを狙ってガリガリやります。

しばらくすると、錆びた水がポタポタ落ちてきました。
これはテレビで見たトンネル工事であっちからとこっちからと掘ってきて
貫通する瞬間の様です。

無事にドレン水がボタボタボタボタ~貫通したようです。
翌日試走したところ助手席側の路面に水たまりが出来ましたので、一応OKの様です。

色々な症状のクルマが毎日入庫してきます。