データロガーでA/F値が記録できるようなりました。

じゃあ、A/F値はいくらに設定するのがいいのですか?

『おれは、パワーが命だからパワーが出る濃い目の設定だぜ~』
『おれは、エンジン内の環境の為にもストイキ領域優先だぜー』
『私は、省エネ派だから希薄燃焼のリーンバーンだぜ~』

色々なご意見があると思います、
また、この辺が燃調データを造るうえでの、チューナーの腕の見せ所でしょう。

一般的にパワーを求めると、A/F値は濃い目になります。

ではこの、理論空燃比より多くのガソリンを燃焼室に入れてみるとどうなるのでしょう?
(あくまで、質量比です・・・)
14.7kgの空気に対して1.5kgのガソリンを入れると・・・
0.5kgは余ってしまって反応できません。
余った分は『燃え残りとして』CoやHcとして排出されるようです。

そもそも、人間の脳内では吸い込んだ空気14.7kg対して、1kgのガソリンを噴射すると、
まんべんなく14.7:1の割合で混ざりそうですが・・・
実際にはどうでしょう??

13Bのノーマルポートは、インマニが4本の通路に分岐され、
インターミディエイトハウジングから前後のローターハウジングに、
フロント、リアのハウジングからそれぞれ1本です。

回転が低いうちは、インターミディエイトのプライマリインジェクタが噴射して、
回転が上がってくると前後のセカンダリインジェクタが噴射を開始します。

噴射された燃料はエアブリードソケットという部品に吹き付けられて、
エンジンの吸気ポート方向に向きを変えられてエンジン内に吸い込まれていきます。

綺麗に全部吸い込まれといいのですが・・・
運悪く霧化されずにインマニにへばりついて、液化されてしまう燃料も出て来てます。

その後、運よくエンジン内に吸い込まれた空気と燃料は、ローターの動きに従って
圧縮されていき、プラグによって着火されて燃焼していくわけですが、
あれ~隅っこの方に追いやられた混合気は火炎が届かず燃え残ってしまいます~

でも、こいつのサジ加減で燃焼室の温度が下げられます。
そうすると圧縮時に勝手に燃料に火がついて燃えてしまう異常燃焼(ノッキング)が防げるはず・・・?

まあ、そんなこんなで。
難しいところは専門家に任しておいて、
僕のクルマの場合はこんな感じでログとれました。

青い線が車速で、アクセルを踏んでいくと当然車速が上がっていきます。
同時に緑のブーストも上がっていきます。
ブーストが上がってくると紫色のA/F値は濃くなっていきます。

計測する最高速で約250km/hを超えたあたりでニュートラルにしてアクセルをOFFすると…
瞬間的にA/F値は跳ねますが・・・
A/F値が跳ねるってどうよ、このコンピュータじゃエンジン壊すんじゃないかと・・・
では、そこを拡大してみましょう。

横軸のスケール(時間軸)を拡大することも、縮小することも自在な弊社の
データロガーなら計測後に分析もできます。

この場合時間軸を拡大してみると、
アクセルOFFして、ブーストが下がる・・・
その後車速が落ち始めるのと同時にA/Fが一瞬はねるようです。

これが、アクセル踏んでいるときだと問題かもしれませんが、
スロットルが閉じて、燃料噴射が止まるので、
エンジンの負荷は掛かっていない状態ですから心配は無いようです。

こんなのやりだすと”きり”がないんですけど・・・