ある寒い朝、
いつも通りキーをひねると、
どこからか、カッチン…カッチン…と
『あれ?ウィンカー消し忘れたかな…』
いや、ウィンカーは出ていない…

臭いので窓開けようとしら…
パワーウィンドウの下がり具合が、
リレーのカッチンカッチンと同期して
ガッコン、ガッコンと…まるで、オカルト映画だ

なんかちょっと臭う…どこかで嗅いだことのある…この匂いは…
プリント基板に部品をハンダ付けした時のフラックスの…

しばらくすると、症状は治まって正常に作動したのでそのまま様子見です。
しかし、機械は人間と違い自然治癒はあり得ません。
次の寒い朝再発しました。
余りにも笑えるオカルト現象なので、このままではまずいと思い、対処法を探してみますと、
すでに、同じ症状を経験した識者の方により、原因から解決方法まで発見することが出来ましたので、
部品を調達して早速修理です。

原因はメーターの裏側についている『TWSユニット』のマイコンがリセット~再起動を頻発するために起こるようです。
リセット回路の電解コンデンサの容量が抜けてしまうのが原因のようです。
早い目に対処すればコンデンサの交換で済みますが、放置しておくと異常電流が基板に流れてプリントパターンが損傷します。

このユニットは、キーの抜き忘れアラームや、ライトの消し忘れアラーム、パワーウィンドウの遅延タイマー(前期型)等の制御を司っています。
また、別基板ですがウィンカーリレーもこのユニットに入っています。

すでにこのユニットは5万円近くしますので、お財布にも非常に厳しい部品となっています。

ここまで、原因がわかっているのであれば、全くお勧めしませんがコンデンサ交換です。
分解して基板を見たところ、パターンの焼損とかもないようですので、
コンデンサだけ交換しました。

純正は16V耐圧ですが、少々スペックアップしたものに交換しました。

あれから3年ほど経ちましたが、未だ問題なく動いています。

同じ症状でお困りの方…ご相談ください。
保証も出来ませんし、自分でTWSユニットを外していただくことになるかもしれませんが、
点検して修理に挑戦してみます。

寒い朝の始動時にいつもと違う現象が起きたら…前触れかもしれません、注意してください。

電解コンデンサの容量抜けは、経年劣化により起こるもので珍しいことではありません。

今回はTWSユニットという、エンジンの制御に直接影響のない部分でしたが、
エンジンをコントロールするECU内にも多数の電解コンデンサがあり、同じような宿命を背負っています。

基板の修理をうたっている業者の方も見受けられますが、概ね今回の様にコンデンサの交換がメインの様です。

例えば、こういう会社に依頼をしたとしても、修理屋さんの方でどうやって完了のチェックをしているのでしょうか…
チェックして評価するための車両をお持ちであればいいのですが、実際はFD3Sだけでも8Bit、16Bitと最低2台は必要です。
そうなると実際の作業は電解コンデンサの交換のみではないかと推測されますが如何なものでしょうか?
それとも、各車を再現した評価用のエミュレータをお持ちなのでしょうか?

依頼するほうも、コンデンサだけが交換され、一見直った風なECUで安心して走れるのでしょうか?
TWSユニットは適当に直しておいて偉そうに言うのもなんですが…
あとは、ユーザーにて取捨選択することが必要かもしれませんね。