メインピットでは、クーペのエンジンを一から組み立てて交換する作業が佳境に入ってきましたが、
もう一つのピットでは、カブリオレの作業もやってます。

こちら、なんと珍しい前期型のカブリオレしかもATです。

長期間保管モードのクルマだったようで、走行距離が・・・一万キロ代というクルマです。

スピードメータの針がブルブルするということでご相談を受けました。

FCのスピードメーターは昔ながらのワイヤータイプなので、
ミッションからメーター裏までのケーブルが湾曲したままクセがついて
回転時にコネコネしているようです。

しかし、部品の在庫を照会したところすでに前期カブリオレのAT用は
ありませんでした…というか後期でもAT用のケーブルは廃番で
かろうじてMT用のみがあるとのことでした。

オーナーの方も色々調べられて、
MT用でも取り付けられた実績があるとの情報を得て、
ダメもとでやってみることになりました。

早速メーターユニットを取り出すわけですが、
メーター周りは30年以上前の樹脂部品の塊なので、
慎重な作業が要求されます。

もちろん、そういうところは若い人に任せて、
僕は口だけ出してます。
「ネジはそ~~~っと締めてな、締めすぎ禁物…」
「割れたら終わりやけど、緩んだら締め直せばいいだけ」

AT用とMT用のスピードメーターケーブルはレイアウトの関係で、
MT用の物が短いため、MT用を取り付けると正規の位置を通せません。
ですから、取り付けるにはいろいろと工夫が必要です。

古いクルマのメンテには、無いものを流用したり、造ったりと
経験やアイディアも必要です。

まあそんなこんなで、みんなで「あ~だ、こ~だ」言いながら
無事取付完了です。

燃圧が下がり気味だった、燃料ポンプも交換しました。

交換後は燃圧が正常になったのか、エンジンの掛かるのも早くなりました。

最近、FC3S・FC3Cの前期のお客様も増えてきました。

我々にとっては、勉強させてもらえる機会に恵まれてありがたいです。

若いメカニックたちは自分より年上のクルマのメンテしてますから(笑)