先日書きましたエンストするFD3Sですが、
書いた通り、エアアジャストスクリューの穴を綺麗にして
エンストはしなくなりました。
同乗で試乗中に「なんかエアコンの効きが悪くない?」と言われて、
まあ、「古いからこんなもんじゃない?」って、てきと~にお返事していましたが、
オーナ様は長いこと気になっていたエンスト症状が解決して、
次のことが気になった模様です・・・
こちらのオーナーの方は、バリバリの技術系の方ですので、
症状が改善することについては、きちっとした原因の究明と、
その対策を論理的に明白にしないと気が済まない人なのです・・・
「では、ゲージを繋いでガス圧を測定してみましょう!!」ということで・・・
「アリー、ゲージ持って来て繋いでみて~~」って頼んでみました。
内心、ガスが減ってて、ちょっと足せばOKと思っていたのですが・・・
ここで、カーエアコンの仕組みについて簡単に説明しようと思いましたが、
とても、ボクの説明では皆さんに理解してもらえそうにないので・・・
をご覧ください。(手抜き)
早速、有馬メカがエアコンの配管に繋いでガス圧を測定するゲージを取り付けます。
このゲージはエアツールのチャックのようにワンタッチで普通は押し込めばロックされるのですが、
有馬メカは手間取っています。なにやら配管のガス圧が高すぎて上手くチャックを押し込めないようです。
FD3Sのエアコンは現代車のようにフルオートでないので、
車内の温度や配管の圧力を検知してコンプレッサをON-OFFしています。
普通に冷えていれば車内のエバポレーターについているフロストスイッチで
冷え加減に応じてコンプレッサはON-OFFします。
何らかの原因で、管内が異常に高圧になったときには安全の為に圧力スイッチで、
コンプレッサをOFFにして圧力を下げるようにしています。
どうやらこのクルマはあまり冷えないまま全開でコンプレッサが回り、
圧力がスイッチのリミットまで高圧になっているようです。
普通であれば、エキスパンジョンバルブを境に高圧と低圧を区分けしていますが、
我々の見立てとしては、
エキスパンジョンの小さい噴出孔にゴミでも詰まって高圧側が異常になっていると思いました。
そんでも、これをここで即時修理は難しいので、
エアコンや電装系の専門のニッシーのところで作業してもらうことにしました。
そうでないと夏中に修理の順番が回ってきそうにありません。
オーナーは早速ニッシー電装に手配して点検にいかれたようです。
その結果は・・・
なんと、エキスパンジョンバルブ(エキパン)が開いていて、
冷却サイクル内全体のガス圧が高圧になって、冷えなかったとのこと…
エキパン、コンデンサー、レシーバータンク交換して修理完了とのことです。
エキパンが開くことなんて考えもしませんでしたが、
ググってみると結構この症例はありました。
考えてみると、コンプレッサーもフルパワーでガンガン回っていますので、
コンプレッサーにエンジンのパワーを食われてストールしていたという、
根本的な原因も見えてきました。
これなら論理的に説明がつきます。
ガスをチャージして、エアコンも正常に効くようになり、
この夏も無事に乗り越えられそうです。
今回は単にエアアジャストスクリューの流路の詰まりだけかと思いましたが、
複合的な原因があったようで、根こそぎ解決できてすっきりしました。
オーナー様には長い間ご迷惑をお掛けしてごめんなさい~
古くなると、バルブと名のつくものは片っ端から故障原因になりますね
ラジエターに穴が開くようにコンデンサも穴が開くかもしれないし、
30年も経過したらエアコン部品はほぼ全交換で良いのかなと思うようになってきました。
デンソー取り扱いの汎用品は、純正部品のような値上がりはされないようですし。。。
そんなことを言ってるうちに、北海道は夏が終わりましたw
コンデンサについては、僕のクルマはすでに交換しています。
原因が分かりませんけど(飛び石?)冷媒中のオイル分みたいなものが染み出てきて
そのうちエアコンが効かなくなりました。怖いですね~