手に馴染むほど、クルマは元気になる。
ただの入門ツールではない。
そこで、30年以上RX-7と共に歩み、2ローターから4ローターまで手がけてきたRE整備士・中村英孝が工具を厳選し、コンパクトなバッグに収めた。
このバッグひとつで、プラグ交換といった一般メンテナンスからサージタンクを剥がすような上級の整備まで広くまかなうことができる。リフトを使う様な重作業を除けば、たったこれだけでほとんどの整備ができるのである。
リーズナブルながらも高品質なツールたちは、工具を握ったことのない初心者でも扱いやすく強度のあるものを選んでいるため、整備経験がなくても中村屋ブログを読みながら自分の大切な車を守ることができるのだ。
女性でも片手で軽々と持ち運びできるコンパクトさゆえに、車内に常備していてもかさばらず、丈夫な布製のバッグなのでワインディング走行でも車や工具を痛める心配がない。
DIY整備から、旅のお供まで。
あなたの手に馴染むほど、クルマが元気になる。
昔から「手の掛かる子ほど……」とよく云われるが、きっとクルマだってそうだ。
手間を掛ければ掛けるほど愛おしくなっていく。モノという一線を越える瞬間が訪れるのである。
人間が風邪を引くように、クルマはトラブルを引き起こす。それが今なのか、それとも明日、来月、半年後…いつ起こるかは分からない。予兆があるのか、突然出るのかも分からない。
だからこそ普段からこまめなメンテナンスが必要であり、いざトラブルが出た時の備えも必要なのだ。
しかし、重たい工具箱を普段から車に積んでいては心地よく走れない。
そもそもどんな工具を揃えておけばいいかなんて、普段から整備していないとわからない。
安い工具、高い工具、一体どれを買えばいいのかレビューの波に揉まれ、流し見の時間だけが過ぎていく……
RE整備士歴35年
中村英孝のモノへのこだわり
■使い勝手はもちろんのこと、音にもこだわっている
小ぶりのラチェットを回しながら、整備士・中村は熱く語った。
今回ツールセットの中には二本のラチェットハンドルが用意された。特に小ぶりのラチェットは、RE特有のエンジン真横にあるスパークプラグを交換する際に威力を発揮する。ごく狭い空間で手首だけで操れるサイズ感、脱落防止の為に作られた取手の球、そして小気味の良いクリック音。思わず空回ししたくなるこのクリック音は、工具を手に取りたくなる欲求を高ぶらせ、それが整備意欲へとつながるのだ。
■RX-7整備に合わせたサイズ
ラチェットは二本ともユニオン機構を採用したモデルを取り揃え、慣れない整備でのソケット脱落を防ぐ。また、プラグレンチにはマグネットが仕込まれており、プラグをしっかりとホールドするためエンジンルーム内で落とすミスが無くなる。初めて整備に挑戦する人は、是非プラグ交換から挑戦して欲しい。
また、作業効率を向上させる分割式のT字レンチなども含まれている。ミニラチェットと組み合わせればエクステンションとなる優れものだ。
■一本一本を厳選
さて、こだわりはラチェットに限らない。メガネレンチは手に取ると吸い付くように馴染む。工具同士が触れると、程よい重みの金属音と感触が伝わる。ギアレンチも心地よい音で手に感触を残していく。ドライバー一本を取って見ても、他の工具を組み合わせる事で力を加える作業が可能となるような仕掛けが施されている。全ての工具が魅力的で、まず手に取ってみたくなるのだ。
使い勝手が良いのは前提として、それ以上に使い心地の良いものばかりを厳選していることが見て取れた。
高すぎる工具は気を使うし、安い工具は使い勝手や感触が悪く整備意欲を失う。中村は自身が何十年何百台と整備をしてきた中で数々の工具を試し、その機能性や感触、コストパフォーマンスを評価してきた。その豊富な経験から選ばれたのが、今回のツールセットの中身なのだ。
このツールセットは決して使い捨てするようなものではなく、愛車と共に永く使える。バッグにも余裕があるので、自分の技量に合わせて中身を少しずつカスタマイズするのも楽しみの一つだろう。
だが高い工具を買う前に、まずはこのツールたちをくたびれるまで使い込んで欲しい。その頃にはきっと、君も立派なRE整備士になっているはずだ。