──1991年6月、フランス・ルマン市。
市街地を隔てて作られたサーキットに、君が代が響き渡った。
世界三大レース・ルマン24時間耐久レース。制したのは、日本のマツダだった。
マシンの心臓部にはマツダが誇るロータリーエンジンが収まっていた。
レース史上初となった、日本の総合優勝。 この戦いの裏には、およそ27年にも及ぶ数々の挑戦と挫折の物語が在ったことをご存知だろうか。
ルマン総合技術監督・松浦國夫氏はその半生を振り返り、こう語った。
――私は1964年以来、REの誕生から91年の総合優勝まで、27年間にわたりレーシングREに関わり続けた唯一の男です。原爆被災者の方々が長きにわたって語り継がれている「語り部」にならい、「レーシングREの語り部」としてその歴史をお話しすることが使命だと思っております。
クルマ史に残るあの物語を、間近で
普段は大きなイベントや特別公演でステージにて語られる松浦國夫さんのREモータースポーツの歴史。ご自身で丁寧に記録されたその膨大な資料は、決して1時間や2時間では語りきれない量なのです。
そこで、ファンと共にその歴史をひとつずつ紐解き辿っていくというプロジェクトがこの「語り部」です。
非公開の資料も数多くあるためごく少数の限られた人数で開催されるイベントですが、RECHARGEのアットホームなオフィスで語られる生の現場の声や写真の中には、今までの常識を覆すものも。
誕生から50年を迎えたロータリーエンジン。このエンジンは、ネットにも掲載されていないたくさんの物語を秘めているのです。
スペシャルゲスト
語り部ではマツダのクルマ史に深く関わりのあるスペシャルゲストをお招きし、松浦さんと共にREにまつわる開発ストーリーや裏話を披露いただいています。これまでRX-8開発主査・片渕昇さん、マツダスピード・中野清さんをお招きし、普段のイベントや講話ではお時間の都合などにより出来ない、より深いトークで大いに盛り上がりました。最新回ではデザイナー・中島美樹夫さんをお招きし、デザインにまつわる講話をいただく予定となっております。
また、語り部は現在二日開催となっており、特に初日の閉会後は松浦さんとスペシャルゲスト、そしてファンの皆さんを交えて二次会も開催しております(希望制)
語り部で気になったことや長年の疑問などを直接伺うことのできる、参加者だけの楽しみとなっています。開発者とユーザーが親身に繋がれる、またとない機会となっています。